赤ちゃんの口からポロリと地面に落ちたおしゃぶり。さぁ、あなただったらどうしますか?
1.洗うか除菌ワイプで拭くかしてから赤ちゃんの口に戻す
2.自分で舐めてから赤ちゃんの口に戻す
いやー、2の人は日本ではまずいなさそう。しかし、スウェーデンで行われた調査によれば、2をすると子供がアトピーになる確率が3分の1になるそうです。
調査では、赤ちゃんの親3組のうち1組は「自分で舐める派」だそう。結構普通の習慣のようで驚くのだが、もしかしてあまりに寒くて雑菌がいないのか。なお、舐める派と洗う派では、赤ちゃんの呼吸器系疾患の割合は変わらなかったそうでございます。
アメリカでは「小さいうちに雑菌に触れさせるのが免疫力を高めるために重要」ということで、最近は赤ちゃんをわざわざ動物園の子供コーナーに連れて行って小動物を触らせる親もいるくらいになったが、おしゃぶりペロリも広まるだろうか。NPRでインタビューされている母親は「私は舐めたくないからしないけど、うちの犬が舐めてることがあるから、同じような効果があるんじゃない?」ということでした。犬に舐めさせるのは、自分で舐めるよりヤバい感はありやいなや。
日本では、生後数年の間に虫歯菌(ミュータンス菌)がつかなければ、その後も虫歯になる確率が減るということで、親子でスプーンや箸を共有したりキスしたりしないと気を使っている人も多い。(ちなみに虫歯菌が大人から赤ちゃんにうつるという話を知っている人はアメリカではほとんどいない。)
でも、虫歯は、フッ素を摂取したり一生懸命歯を磨いてフロスしたりすれば予防できるが、アトピーを防ぐのは難しい。一方、アトピーより虫歯になる方が確率は高い。さぁ、虫歯を取るか、アトピーを取るか、ここが運命の分かれ道。
アトピー関係では、寄生虫がいるとアトピーになりにくいというのもあるので、三つ巴で、寄生虫を取るか、虫歯を取るか、アトピーを取るか。こちらをたてればあちらが立たずですなぁ。
(舐めたからといって、必ず虫歯になるわけでもアトピーにならないわけでもありません。念のため)。
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似て非なる話だけど、Survival of the Sickestという本、おもしろいっす。人間はある環境に打ち勝つために進化(適応)するが、それが行き過ぎると病気になっちゃう、言い換えれば、1つの問題をたたくと別の問題が頭をもたげるという病気がたくさん取り上げられている。一例を挙げると、スカンジナビアは糖尿病が多いが、これは、大昔、寒冷地故に凍死する人が多い中、血糖値が高いと不凍液のような役割を果たして血が凍らず、すんでのところで凍死を免れるといったことが続いた結果、血糖値が高い人が増えてしまったのではないか、とか。日本語訳「迷惑な進化」も出てます。私だったら「ビョーキ最強進化論」とか訳しちゃうと思われ。
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おしゃぶりはpacifier。
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